プロジェクトの羅針盤!コンセプト・コアコンセプトの作成方法・決定方法
(2022/2/18 更新しました)
コンセプトは、プロジェクト推進力の源です。
プロジェクトの目的・目標でもあり、全ての判断の拠り所です。
羅針盤という所以です。
また、プロジェクトリーダーとして 最も大切なものが コアコンセプトです。
リーダーが最終的な判断をする場合の拠り所です。
プロジェクトのコンセプトは 構想段階で決めます。
通常、プロジェクト構想書としてまとめると思います。
そして、コンセプト達成に向け プロジェクトは開始されます。
いざ開始、途中で コンセプトがぐらついたら、何をやっているのかわからなくなりますよね。
結局 何のためにやっているの?
こうなったら、プロジェクトは ほぼ終わりです。
そのためには、構想段階で 揺るぎのないコンセプトを練る必要があります。
今回は、私が実践していたプロジェクトのコンセプトの決め方・そして 最も重要なコアコンセプトの考え方について、紹介いたします。
コンセプト思考手順での位置付け
以前に私が実践しているコンセプト思考について 投稿しました。
手順は、以下です。
- キーワード挙げ、体系化する
- 5〜10年先の絵を描く
- 大きな括りで思いついたことを○○コンセプトと名付ける
- そのコンセプトを深掘りする
- コンセプトを具現化する戦略を描く
- 戦略を実現する戦術を検討する
今回紹介するのは、手順4です。
深掘りしたコンセプトを 最終的に決めていくところになります。
手順4を もう1階層ドリルダウンした手順を、以下に記載します。
- コンセプトを深掘りする
- 深掘りしたコンセプトの体系図を作成する
- 体系図からコンセプトを括り、選択・決定する
- コアコンセプトを決定する
順番に説明したいと思います。
コンセプトを深掘りする
大括りで思いついたコンセプトから、コンセプトの深掘りを実施します。
思いつく限り、どんどん挙げていけば良いです。
例えば、「個人を大切に」であれば、「個々の才能が開花する職場環境創り」「個々を支える人材開発環境創り」いろいろ出てくると思います。
現実のプロジェクトでは、あるべき姿とのギャップから導き出すケースが多いと思います。
とにかく挙げることです。
プロジェクトの構想段階は、少人数の有識者メンバーだと思います。
メンバー皆で実施し、網羅性も確保しましょう。
深掘りしたコンセプトの体系図を作成する
挙げたコンセプトは、体系図にします。
体系図は、複数の視点で 括りをします。
例として、3つ挙げます。
- 似たもの通しをグループにまとめる
- 因果関係を連環図にする
- お客様視点・社会的視点で整理する
また、異なる人の視点も 大切です。
異なる視点は、新しい見方が出てくるものです。
体系図は、何度もブラッシュアップしましょう。
体系図からコンセプトを括り、選択・決定する
さて、体系図 見つめましょう。
その括りを最も表現する言葉、選択しましょう。
挙げたコンセプトの中で 一番重要なコンセプトでも良いです。
括り全体を表現する別の言葉でも良いです。
なるべく具体的な言葉にします。
皆でやるプロジェクトの目標になるものです。
また、判断基準でもあります。
皆で共有できる言葉を探しましょう。
そして、優先度を検討します。
今回のプロジェクトで、何を優先してやるのか です。
あらかじめテーマを決められているケースもあると思います。
その際は、テーマ適合順になります。
何もなければ、評価基準を作って評価します。
定量効果・定性効果が、主な評価基準になると思います。
そして、その中から、プロジェクト構想書にメインに記載するコンセプトを選択します。
決裁のためです。
普通は、3つ程度 選択することになると思います。
私自身が実践した経験、また多くの構想書を見た経験からいうと、目玉にするコンセプトは 3つが限度です。
これ以上多いと、決裁時に 訴えたいことが伝わらないものです。
コアコンセプトを決定する
構想書には、選択した3つのコンセプトをまとめて、1つのコンセプトを記載すると思います。
構想書のタイトルになるキャッチコピーに近いものです。
但し、これは あくまで構想書の決裁用のものです。
私の言うコアコンセプトではありません。
コアコンセプトは、以下のひとつ または複数を指しています。
- 対象プロジェクトで 絶対にやるべきこと
- 対象プロジェクトで 最低限実施すること
- 対象プロジェクトで 本来目指すべきこと
コンセプトに優先順位をつけることを 先ほど記載しました。
一番重要なものを、コアコンセプトとすることもあると思います。
ただ、これもコンセプトのひとつですよね。
私の場合は、もっと根底にあるものを探します。
コンセプトの体系図を見ながら、根底に流れるものをコアコンセプトにしています。
プロジェクトリーダーの場合、コアコンセプトが最終的な判断基準になります。
その判断基準になるものです。
多くの場合、対象事業の根底を支えるものを 抜本的に変革する何か を見つけています。
構想段階の最終局面では、決めています。
そのためには、構想段階で プロジェクトの全体像を把握していることが必要です。
最初は 自分自身が知らなかった分野もありますよね。
その分野でも、自分自身の言葉で話せるレベルになっていること必要です。
また、私の場合 このコアコンセプトは 構想書には載せません。
大体の場合、過激すぎる言葉になるので、社内の決裁用には向いていないからです。
プロジェクトリーダー自身の決意と言った方が良いのかもしれません。
プロジェクトを実施する上で、絶対に譲れないものです。
考え抜いたコアコンセプトを判断するための評価基準については、以前の投稿記事を参照ください。
(下に投稿記事記載します)
まとめ
コンセプトは、プロジェクトの推進力の源です。
プロジェクトの目標でもあり、全ての判断の拠り所です。
羅針盤という所以です。
また、プロジェクトリーダーとして 最も大切なものが コアコンセプトです。
リーダーが最終的な判断をする場合の拠り所です。
今回は、私が実践していたプロジェクトのコンセプトの決め方・そして 最も重要なコアコンセプトの考え方について、紹介しました。
手順は 以下です。
コアコンセプトの選定手順
- コンセプトを深掘りする
- 深掘りしたコンセプトの体系図を作成する
- 体系図からコンセプトを括り、選択・決定する
- コアコンセプトを決定する
体系図から括りを見つけ、最も表現する言葉 選択しましょう。
優先度を検討し、3つの目玉となるコンセプトを選択します。
そして、コアコンセプトを考え抜きます。
コアコンセプトとは、対象事業の根底を支えるものを 抜本的に変革する何か です。
プロジェクトにおいて、コンセプトは最も大切なものです。
揺るぎないコンセプトを創り、達成に向け突き進みましょう。
参考投稿記事:突き抜けているか!コアコンセプトを判断するための評価基準