プロジェクトの羅針盤!コアコンセプトの作成・決定方法

プロジェクトの羅針盤!コアコンセプトの作成・決定方法

(2025/2/17 更新しました)

あなたのプロジェクトに、コアコンセプトはありますか?

「同じところを回っている気がする」

「進んでいる気がしない」

「正しい判断ができているのか 自信がない」

コアコンセプトが決まっていないことが 原因かもしれません。

”コアコンセプト”

プロジェクトの最終的な目的・目標です。

また、プロジェクトリーダーとして 最も大切なものです。

リーダーが、最終的な判断をする場合の拠り所になります。

そもそも、途中で コンセプトがぐらついたら 何をやっているのかわからなくなりますよね。

結局 何のためにやっているの?

こうなったら、プロジェクトは ほぼ終わりです。

今回は、私が実践していた「プロジェクトのコンセプトの決め方・そして 最も重要なコアコンセプトの考え方」について 紹介いたします。

私自身20年以上のプロジェクトリーダーとしての実績があります。

そして、プロジェクト毎に コアコンセプトを決めて実践してきました。

その経験に基づいています。


プロジェクトのコンセプトは 構想段階で決めます。

通常、プロジェクト構想書として まとめますよね。

そして、コンセプト達成に向け プロジェクトは開始されます。

そのためには、構想段階で 揺るぎのないコンセプトを練る必要があります

では、以下で紹介していきます。

コンセプト思考手順での位置付け

以前に私が実践しているコンセプト思考について 投稿しました。

手順は、以下です。

  1. キーワード挙げ、体系化する
  2. 5〜10年先の絵を描く
  3. 大きな括りで思いついたことを○○コンセプトと名付ける
  4. そのコンセプトを深掘りする
  5. コンセプトを具現化する戦略を描く
  6. 戦略を実現する戦術を検討する

今回紹介するのは、手順4です。

深掘りしたコンセプトを 最終的に決めていくところになります。

手順4を もう1段階 ドリルダウンした手順を、以下に記載します。

  1. コンセプトを深掘りする
  2. 深掘りしたコンセプトの体系図を作成する
  3. 体系図からコンセプトを括り、選択・決定する
  4. コアコンセプトを決定する

順番に説明したいと思います。

コンセプトを深掘りする

大括りで思いついたコンセプトから、コンセプトの深掘りを実施します。

思いつく限り、どんどん挙げていけば良いです。

例えば、「個人を大切に」であれば、

  • 個々の才能が開花する職場環境を創る
  • 個々を支える人材開発の仕組みを創る

いろいろ出てくると思います。

現実のプロジェクトでは、あるべき姿とのギャップから導き出すケースが多いと思います。

とにかく挙げることです。

プロジェクトの構想段階は、少人数の有識者メンバーだと思います。

メンバー皆で実施し、網羅性も確保しましょう。

深掘りしたコンセプトの体系図を作成する

挙げたコンセプトは、体系図にします。

体系図は、複数の視点で 括りをします

例として、3つ挙げます。

  1. 似たもの通しをグループにまとめる
  2. 因果関係を連環図にする
  3. お客様視点・社会的視点で整理する

また、異なる人の視点も 大切です。

グループを分けて、体系図を作るのも オススメです。

そして、体系図は 何度もブラッシュアップしましょう。

体系図からコンセプトを括り、選択・決定する

さて、体系図 見つめましょう。

その括りを最も表現する言葉、選択しましょう

挙げたコンセプトの中で 一番重要なコンセプトでも良いです。

括り全体を表現する別の言葉でも良いです。

なるべく具体的な言葉にします

皆でやるプロジェクトの目標になるものです。

また、判断基準でもあります。

皆で共有できる言葉を探しましょう。

そして、優先度を検討します

今回のプロジェクトで、何を優先してやるのか です。

あらかじめテーマを決められているケースもあると思います。

その際は、テーマに適合した順番になります。

何もなければ、評価基準を作って評価します。

定量効果・定性効果が、主な評価基準になると思います。

そして、その中から、プロジェクト構想書にメインに記載するコンセプトを選択します。

そもそも、プロジェクト決裁を受ける必要がありますよね。

普通は、3つ程度 選択することになると思います。

私自身の経験、また多くの構想書を見た経験からいうと、目玉にするコンセプトは 3つが限度です。

これ以上多いと、決裁時に 訴えたいことが伝わらないものです。

コアコンセプトを決定する

構想書には 選択した3つのコンセプトをまとめて、1つのコンセプトを記載すると思います。

構想書のタイトルになるキャッチコピーに近いものです。

但し、これは あくまで決裁用のものです。

私の言うコアコンセプトではありません。

コアコンセプトは、以下のひとつ または複数を指しています。

  • 対象プロジェクトで 絶対にやるべきこと
  • 対象プロジェクトで 最低限実施すること
  • 対象プロジェクトで 本来目指すべきこと

コンセプトに優先順位をつけることを 先ほど記載しました。

一番重要なものを、コアコンセプトとするケースもあると思います。

これも、ひとつの方法です。

ただ、3つ選択したコンセプトの中のひとつですよね。

私の場合は、もっと根底にあるものを探します。

コンセプトの体系図を見ながら、根底に流れるものをコアコンセプトにしています。

多くの場合、対象事業の根底にある「 抜本的に変革する何か」 を見つけています。

  • これをやる本当の目的は?
  • 意義はなんだろう?
  • 何が破壊されるのか?

いろいろな観点から、自身が腑に落ちる言葉を探しています。

まとめ

コアコンセプトは、プロジェクト推進力の源です。

プロジェクトの目標でもあり、全ての判断の拠り所です。

羅針盤という所以です。

今回は、私が実践していた「プロジェクトのコンセプトの決め方・そして 最も重要なコアコンセプトの考え方」について紹介しました。

手順は 以下です。

コアコンセプトの選定手順

  • コンセプトを深掘りする
  • 深掘りしたコンセプトの体系図を作成する
  • 体系図からコンセプトを括り、選択・決定する
  • コアコンセプトを決定する

体系図から括りを見つけ、最も表現する言葉を選択しましょう。

優先度を検討し、3つの目玉となるコンセプトを選択します。

そして、コアコンセプトを考え抜きます。

コアコンセプトとは、対象事業の根底にある「 抜本的に変革する何か」 です。

プロジェクトにおいて、コンセプトは最も大切なものです。

揺るぎないコンセプトを創り、プロジェクト成功に向け 突き進みましょう。

さて、考え抜いたコアコンセプト。

評価・判断する必要がありますよね。

以下の記事では「コアコンセプトのの評価基準」について紹介していますので、こちらの記事も ぜひ併せて読んでみてください。

投稿記事:突き抜けているか!コアコンセプトを判断するための評価基準