BPRの究極の目標とは!ビジネスモデルを構築するコツ

(2025/5/13 更新しました)
BPRとは「やり方を変える」だと思っていませんか?
BPRの究極の目標は「やることを変える」です。
つまりは、新しいビジネスモデルを構築することです。
「やり方を変える」だけでは効率化で終わってしまいますよね。
価値あることに時間を使ってこそ、組織も個人も生きてくるのではないでしょうか。
今回は「BPRの究極の目標であるビジネスモデルを構築する方法」について紹介します。
私自身がBPRで新しいビジネスモデルを構築した経験に基づいています。
BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の定義

一般的なBPRの定義
BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とは、業務プロセスを根本から見直し再構築する取り組みを指しています。
単なる業務の部分的な修正ではなく、全体的な改革を目指す方法ですね。
このアプローチの目的は、効率化やコスト削減、そして実施時点の企業の競争力を最大化することになります。
私の考えるBPR
一般的な定義は「業務プロセスを基軸として改革すること」を指していますよね。
一方で、私は「ビジョンを基軸として改革すること」だと考えています。
ビジョンを達成するための結果として、業務プロセスが変わる。
ビジョン → ビジネスモデル → 業務プロセスという順番です。
であれば、このアプローチの目的は「付加価値の向上」「企業の競争力の最大化」ですよね。
そして「付加価値の高い業務プロセス」の生産性向上です。
ビジネスモデルとBPR
そもそもビジネスモデルとは?BPRとの関係は?
ビジネスモデルとは、企業が利益を生むための仕組みを意味します。
具体的には、「誰に(顧客)」「何を(商品やサービス)」「どのように(提供方法)」「どのように収益を上げるか」を明確に定義したビジネスデザインのことです。
特に、技術革新や市場の変化が激しい現代においては、柔軟かつ持続可能なビジネスモデルを構築することが必要ですよね。
一方で BPRにおいては、業務プロセスを考える際の土台になります。
特に「どのように(提供方法)」を具現化したものが 業務プロセスですよね。
ビジネスモデルが成功するための条件とBPR
成功するビジネスモデルを構築するためには、以下の条件が必要です。
- 有用性:顧客にとって魅力的で価値がある商品やサービスであること。
- 実現可能性:設計されたモデルが実際に実行可能であること。
- 持続可能性:事業を長期にわたり運営できる体制が整っていること。
さらに、自社ならではの強みを活かした差別化された価値提供が重要ですよね。
一方 BPRは、実現可能性・持続可能性を担っています。
自社独自のアイデアや戦略を盛り込むことで、持続的な競争優位を築くことができます。
ビジネスモデルを構築する方法
BPRは、ビジョン → ビジネスモデル → 業務プロセスの順番だと説明しました。
つまり、ビジネスモデルを構築するには、ビジョンが先だということです。
以下に、順番に説明します。
まずはコンセプトを考える
例えば あなたの組織では、こんな事例がないでしょうか?
- 仕事のやり方が ずっと変わらず、何をするのも過去踏襲
- 仕事の分担も決まっていて、その範囲でしか仕事をしない
- 問題が起これば 、少しでも良い方法を選択することの繰り返し
さて、こんな組織で仕事をしていて楽しいでしょうか?
毎日、同じことの繰り返しですよね。
メンバーの不満も伝わってきますよね。
私の事例を紹介します。
私の所属する部署は、関係部署からは ○○村と言われていました。
ムラ社会、変わらない分野の象徴的な呼び名ですよね。
私が考えたコンセプトは、以下です。
- 農耕部落からデジタルシティへ
- 価値の高い仕事を楽しく
実際にコンセプトを考えるには、現状分析や課題抽出も必要です。
まずは、自分自身の感覚で良いので、コンセプトを考えてみましょう。
そして、現状分析や課題抽出を通して ブラッシュアップしていくことが重要です。
コンセプトからビションを描く
コンセプトから導かれる世界は、どういう姿でしょうか。
ありたい姿:ビジョンを描いていきます。
私の事例は設計部署だったので、以下を描いています。
- 受け身の仕事ではなく、共同でデザインしている姿
- 設計・評価を同時に行なっている姿
- 技術ノウハウを蓄積・共有して活用している姿
生き生きと楽しく仕事をしている姿を 絵にしています。
なので、業務シーンを中心に描いている部分が ほとんどです。
もちろん、その時代の会社の方針も 反映させています。
- 開発期間の短縮化
- 業務の付加価値化・効率化
などですね。
A3で読める(見える)大きさで描いています。
これぐらいの粒度が 重要なポイントを網羅できるサイズです。
実現するための戦略を考える
私の事例の場合、デジタル化が前提になりますよね。
デジタルにするには、数値に置き換える必要があります。
「数値が正」にしないと、なにも始まらないのです。
一方で、今まで数値には 全く無縁の分野です。
どこから置き換えていくか戦略を練る必要があります。
私は、最もインパクトがあり 最も変革を伴うところを選ぶべきと考えています。
末端の小さな領域からスタートしては、時間がかかり過ぎますよね。
実際、この分野の最もメジャーな仕事を 数値化に選択しています。
これでターゲット領域も決まりました。
後は、どう数値化していくか・それをどう利用していくかのアイデア出しになります。
ここまで読んできた方は、ここが重要と思うのかもしれません。
でも、違うのですよ。
世の中・もちろん社内も含めて、同じようなことを考えている人は 結構います。
参考になるものは、実は いっぱいあるのです。
そして、アイデアは 次のアイデアを生みます。
確かに最初は、ひとつひとつ数値化するという地味な作業から始まります。
地味な作業を繰り返す。
そうしていると、ある日突然 突破口が見つかることもあります。
私の場合は、たったひとつのデータからでした。
そこから一気に、ビジョンへの道がひらけました。
ビジョンを描き 実現するための戦略を考えれば、ターゲットは絞られてきますよね。
アイデアは、ターゲットだけに焦点を当てることができます。
そこだけ考えていると、ちょっとしたきっかけで意外と出てくるものなのです。
アイデアって、既存の考え方の組み合わせって言われますよね。
また、見方を変えるだけとも言われています。
それに、全て自分だけで考える必要もないです。
ビジネスモデルキャンバスの活用
ビジョン・戦略が決まれば、いよいよビジネスモデルを考えることになります。
ビジネスモデルの全体像を把握するためには、ビジネスモデルキャンバスを活用することをおすすめします。
ビジネスモデルキャンバスは、「顧客セグメント」「価値提案」「チャネル」「収益の流れ」などの要素を視覚的に整理するフレームワークです。
このツールを使うことで、ビジネスの全体像を効率的に構築・把握し、関係性を確認することができます。
そして、描いたビジョンとの整合性を確認します。
コンセプトをビジネスモデルキャンバスの上に書くこともおすすめです。
私が実際に実践していた方法です。
さて、ビジョン → ビジネスモデルの順番で思考してきました。
ビジネスモデルキャンバスに描かれたビジネスモデルは、単に「やり方を変える」だけで対応できるでしょうか?
絶対に「やることを変える」になっているでしょう。
それが、効率的かつ高付加価値なプロセスを設計することにつながっていきます。
BPRは、ビジョン → ビジネスモデル → 業務プロセスの順番であるという所以です。
事実 私の事例でも、「やることが全く異なる」プロセスになっています。
まとめ
今回は「BPRの究極の目標であるビジネスモデルを構築する方法」について紹介しました。
ビジョン:ありたい姿を描けば、指針が決まります。
行きたい方向が決まれば、そのためのアイデアは いっぱい出てきます。
先ずは、ビジョンを描きましょう。
そして、ビジョン → ビジネスモデル → 業務プロセスの順番で、効率的かつ高付加価値なプロセスを設計しましょう。
さて、今回は「ビジネスモデルの構築」について紹介しましたが、その中で「ビジョンを描く」ことを強調しました。
以下の記事では「ビジョンの作成方法」について紹介していますので、ぜひこちらの記事も併せて読んでみてください。