デジタル化を推進する!ユーザー部門PJリーダーの役割とは

(2025/5/9 更新しました)
あなたの会社のデジタル化プロジェクト上手く進んでいますか?
デジタル化プロジェクトの場合、ユーザー部門のリーダーが最も重要です。
なぜなら、ユーザー部門とシステム部門を橋渡しする役割を負うからです。
今回は「デジタル化プロジェクトにおけるプロジェクトリーダーのトランスレーターとしての役割」について紹介します。
デジタル化プロジェクトの場合、プロジェクトリーダーは ユーザー部門から出すのが一般的ですよね。
私は、数多くのデジタル化プロジェクトのユーザー部門リーダーを経験しています。
その実績に基づいています。
ユーザー部署メンバーへのトランスレーターとしての役割

今回は、以下2つを紹介します。
- システムでできることを伝える
- 既存業務ではなく業務改革であることを伝える
順番に紹介します。
システムでできることを伝える
ユーザー部門のメンバーは、実務のことは当然わかっていますよね。
一方で、システムでできることには 知識が不足しています。
業務で全くシステムを利用していないことはないので ある程度の知識はあるのですが、処理の中身まではわかりませんよね。
多くは、「こんな画面があった」「こんな機能があった」というぐらいの知識です。
なので、実際の自部署の業務に当てはめた場合に、「どこまでできるのか」「どこまで言っていいのか」不安に思っているのが普通なのです。
ユーザー部門のプロジェクトリーダーは、この不安を取り除く必要があります。
それには、システムでできることをアドバイスしてあげることです。
「えっ、デジタル化プロジェクト初めてだし私には無理」と思うかもしれません。
でも心配はありません。
システムは、ロジックで動いています。
ユーザーのやりたいことを整理して、ロジカルに説明できるようにしてあげれば良いのです。
例えば、システム部門との打ち合わせの場でも構いません。
「あなたの言いたいことは こうしたらこういう動きをさせたいということだよね」と言い換えてあげれば良いのです。
そして、システム部門にできるかどうか確認を取ります。
先ずは、ここから始めましょう。
この繰り返しにより、システムの関する知識は深くなってきます。
アドバイス力は、どんどん上がっていきます。
私自身は、最初のデジタル化プロジェクトの際に、一部の設計書やプログラミングを実際に行ったことがあります。
自ら実践すれば、知識・ノウハウを取得できますよね。
試してみることをオススメします。
既存業務ではなく業務改革であることを伝える
既存業務を そのままシステムに載せることは 絶対にやめた方が良いです。
既存業務は、「過去からのしがらみ」「今では必要がなくなった業務」も含んでいます。
これらをそのまま載せれば、複雑な処理になり 開発費も上昇します。
また、デジタル化の目的も考えてみてください。
業務改革のためにやるのですよね。
もっといえば、ビジネスモデルを変えるためにやるのだと思います。
ユーザー部門のメンバーは、自分の業務を効率化したいという動機が強いです。
なので、現行業務基準で考えます。
そうではなくって「現行業務を改革し、さらにデジタル化でもっと効率化すること」を プロジェクトリーダーは伝えるべきです。
そして、実際に 業務改革を率先してサポートすることです。
システム部署メンバーへのトランスレーターとしての役割
今回は、以下2つを紹介します。
- ユーザー部署のビジネスを伝える
- システム検討後、ユーザーの意図を伝える
順番に紹介します。
ユーザー部署のビジネスを伝える
システム部門は、実務を知りません。
日本の場合、ほとんどシステムベンダーに依頼することになりますので、最初は全く知識ゼロです。
プロジェクトリーダーは、ユーザー部署のビジネスを伝える必要があります。
私の場合は、以下3つの機会で実践していました。
- プロジェクト開始時
- 現行業務分析時
- ベンダーからの疑問発生時
プロジェクト開始時
時期としては、システム構想を始める前です。
どんなビジネスをどのように行なっているか 概要を説明します。
ビジネスを体系的・構造的に説明します。
先ずは、大きな括りから順番に詳細化して説明していきます。
システムベンダーのメンバーは、システムつまり体系で ものごとを捉えますよね。
彼らの思考方法に合わせて説明するのです。
現行業務分析時
システム構想に入れば、現行業務の分析工程があります。
この際に、いわゆる5W1Hまで 業務を説明していきます。
特に、流れる情報を中心に 説明します。
情報を扱うので当たり前のことなのですが、意外とできていないプロジェクトを見てきています。
システムベンダーのメンバーは、情報を頼りにして業務を理解します。
ここでも彼らの思考方法に合わせるのです。
ベンダーからの疑問発生時
プロジェクトが本格的に始まれば、プロジェクトルームに一緒にいる時間が長くなりますよね。
システムベンダーのメンバーから、ここがわからないという質問も出てきます。
または、疑問を持っていそうなメンバーもいるでしょう。
ベンダーのメンバー間で話をしている声も聞こえます。
これらは、プロジェクトを成功させるための必須の機会です。
多くの場合、システムベンダーのメンバー全員が感じているものです。
メンバー全員に説明しましょう。
「みんな注目!今から○○について説明します」
宣言して説明すれば、どんどん質問も出てきます。
疑問が発生した時の議論が 一番残ります。
そして「こんな重要なことを伝えていなかったんだ」と思う瞬間にもなります。
システム検討後、ユーザーの意図を伝える
システムの仕様検討段階になるとユーザー部門・システム部門のメンバーでの打ち合わせが始まります。
そして、徐々に仕様が決まっていきます。
この際にプロジェクトリーダーが行う大切なことは、打ち合わせ後の時間の使い方です。
ユーザー部門のメンバーは、もういなくなっていますよね。
この時間を使って、今行われた「打ち合わせの振り返り」を システム部門のメンバーと行うのです。
特に、ユーザー側の意図を プロジェクトリーダーが咀嚼して伝えます。
打ち合わせでは、ユーザー側の要求には優先順位付けが曖昧なことが多いです。
仕様を決めるのが主になるので、どうしても「あれもこれも」になるのですよね。
この優先順位について説明します。
例えば「○○の言っていたことは こういうことであり、システムの目的からして これは譲れない」などです。
逆に「これは便利機能だから、予算・期間で決めれば良い」もあります。
こうすることによって、目的から乖離しないシステムができるのです。
私が実践したデジタル化プロジェクトでは、ほとんど「打ち合わせの振り返り」の時に システムの骨格が決まっています。
まとめ
今回は「デジタル化プロジェクトにおけるプロジェクトリーダーのトランスレーターとしての役割」について紹介しました。
デジタル化プロジェクトの場合、ユーザー部門のリーダーが最も重要です。
プロジェクトリーダーが ユーザー部門とシステム部門を橋渡しすることによって、デジタル化の目的を達成するシステムができます。
そして、デジタル化プロジェクトは 今後増えていきますよね。
プロジェクトリーダーのトランスレーターとしての役割は、ますます重要になっていくと考えています。
さて、今回は「ユーザー部門のリーダーの役割」について紹介しましたが、以下の記事では「デジタル化プロジェクトの進め方」について紹介しています。
こちらの記事もぜひ併せて読んでみてください。
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