複雑な問題に対応する!ビジネスを体系的・構造的に捉える方法とは

現在のビジネスには、単独の問題は もはやありません。

いくつもの問題が複雑に絡み合っています。

複雑な問題に対応するには、体系的・構造的に ものごとを捉えることが必要です。

今回は、私の経験から ビジネスを体系的・構造的に捉える方法について 紹介したいと思います。

体系的・構造的に捉えることが必要である理由

効率化・生産性向上。
これまでビジネスの現場で 実践・改善され続けていきました。

冒頭で触れたように、単独で存在した問題は ほぼ解決されています。

いま残っている問題は、複雑に要因が絡み合っているものです。

ひとつの問題だけに注目すると、必ず他に影響を与えます。

一方で、業務は 細分化されています。

50代以降の方はご存知だと思いますが、昔は ひとりの業務範囲とても広かったです。

私自身で言えば、最初に配属されたのは生産技術部門で 工場単位で分担が分かれていました。

工場単位ということは、担当工場で生産される車種の生産準備からライン設計まで 全ての業務を担当するということです。

生産車種の特徴がわかっているので、ライン設計にも反映させることができます。
逆に、何が問題かも ひとりで判断・解決できます。

でも今は 業務は細分化されています。

生産準備とライン設計が別分担になれば、お互いの連携が必要です。
ラインの特性に合わせて 生産準備もしなければなりません。

問題解決も ひとりではできないのです。

枝を見て森を見ないという現象は、細分化された組織では普通に起きます。

一方で、森を見て 枝がわからないという現象も起きます。
マネジメント層から見ると、細分化されすぎて何をやっているのかわからないこと 多いと思います。

これでは、複雑な要因を紐解くことはできないです。

そこで、体系的・構造的に捉える必要性があるのです。

森も木も見る必要があります

体系的・構造的に捉えることとは

体系化は、ものごとの関係を把握することです。

部品であれば、さらに細かいパーツがあって構成されています。

各パーツ毎に 役割がありますよね。
また、相互依存もあります。

体系化は、各パーツの役割・依存関係のように ビジネスの関係を見える化することです。

また、構造化は ものごとをブロック化することです。

部品であれば ひとつのパッケージの中に、各パーツが組み込まれています。

パッケージがインフラであり、人と接する部分があれば ユーザーインターフェースです。

構造化は、各パーツの機能のように ビジネスの成り立ちを見える化することです。

体系的・構造的に捉える方法

私自身は、30代の頃システムの設計をした経験があります。
システム=体系ですよね。

当時オブジェクト指向という概念が、システム設計手法として脚光を浴びていた頃です。

私は、概念データモデルという手法で体系・構造を把握しています。
概念データモデルは、情報間の関係を把握する方法です。

業務フローを見える化した上で、情報に注目して関係を把握していきます。

いまや情報は大切な資産です。
資産に注目するので、普通よりも早く捉えることができます。

とはいっても、いつもシステム設計をしているのではありません。
情報というキーワードを 概念データモデルのように関係づけて 把握しています。

組織でよく使われるキーワードありますよね。
そのキーワード間の関係を紐づけているといった感じです。

こうした関係で把握していると あるキーワードを取り上げた場合にどこまで影響するか 瞬時にわかるようにもなります。

今回は、私が実践している3つのステップを紹介したいと思います。

  • キーワードを書き出し、関係を考える
  • ①で考えたキーワード間の関係を広げていく
  • いろいろな視点で見つめ、ヒラメキを得る

以下 順番に紹介します。

キーワードを書き出し、関係を考える

自部署でよく使われいるキーワードを洗い出します。

キーワードは、ある情報・データの集合体になっていると思います。

それを元に、キーワード間の関係を考えます。

そして、上位・下位関係・どうつながっているかで整理していきます

例えば、「部品」「図面」であれば
部品に対して図面がひとつであれば、「部品」=「図面」です。
部品に対して 異なる種類の図面があれば、部品は異なる種類の図面で成り立っています。

上下関係は、部品製造がメインならば 「部品」だと思います。
設計会社であれば、「図面」の方が上位かもしれません。

①で考えたキーワード間の関係を広げていく

キーワード間の関係を どんどん広げていきます。

例えば、先ほどの例に「試作品」をつなぐとします。

通常ある時点の図面に対して 試作品は出来上がります。

であれば、図面と試作品は 図面の履歴で結ばれます。
図面のバージョンと試作品は紐付けしないと管理できないですよね。

こうした関係を どんどんつなげていきます。

いろいろな視点で見つめ、ヒラメキを得る

つなげたキーワードは、既に体系には なっています。

ただ、これだけだと 枝を見える化したに過ぎません。

ここから、森にする必要があります

森にする方法ですが、ほとんどヒラメキに近いものがあります。

私自身も、最後はヒラメキです。
突然 空から降ってくるという感じです。

と言っては身も蓋もないので、そのためにどういう作業をしているかを 以下記載します。

ちなみに、空から降ってくる時は コンセプトやアイデアも同時に降りてきます。

「こういうことかあ」と思うことと「こうすれば良いかな」と思うことが 同じ瞬間であること、意外と多いですよね。

  • つなげたキーワードをいろいろな視点でくくる
  • くくったものに名前をつけ、ひたすら書いて さらに関係を探る
  • 煮詰まってきたら 放っておいて、降ってくるのを待つ

つなげたキーワードをいろいろな視点でくくる

キーワードをいくつかまとめて括ってみます。

自部署のミッション・ビジョン・お客様(後工程)視点・自部署都合視点など、視点を変えて くくることを実施します。

特に、自部署都合視点でくくること オススメします
効率化・生産性を意識している組織ほど、意外と 自部署都合って多いものです。

くくったものに名前をつけ、ひたすら書いて さらに関係を探る

くくったグループに名前をつけ、それらを ひたすら書きます。

つけた名前どうしをくっつけたり離したり、基本アイデアを出すのと同じ方法です。

私の場合は、先ずは 紙になぐり書きしています。
ある程度整理できてきたら ホワイトボードを使っています。

実際に言葉にして書くことが重要です。
頭の中だけではなく、視覚も利用するのです。

そして、言葉には意味があります。
意味から刺激を受け、インスピレーションが生まれること とても多いのです。

煮詰まってきたら 放っておいて、降ってくるのを待つ

多くのケースでは、すぐには見えてきません。
これもアイデア出しと同じです。

煮詰まってきたら、いったん放り出しましょう。

頭の片隅には、必ず入っています。
ある時 突然降ってきます。

人それぞれ、アイデアが出やすい空間・場を持っていると思います。
その空間・場に浸りましょう。

まとめ

現在のビジネスでは、単独ではなく いくつもの問題が複雑に絡み合っています。

複雑な問題に対応するには、体系的・構造的に ものごとを捉えることが必要です。

今回は、私の経験から ビジネスを体系的・構造的に捉える方法について紹介しました。

木も森も見る 3つのステップです。

  • キーワードを書き出し、関係を考える
  • ①で考えたキーワード間の関係を広げていく
  • いろいろな視点で見つめ、ヒラメキを得る

そして、最終的に森を見つけるためのステップも紹介しました。

  • つなげたキーワードをいろいろな視点でくくる
  • くくったものに名前をつけ、ひたすら書いて さらに関係を探る
  • 煮詰まってきたら 放っておいて、降ってくるのを待つ

ビジネスを体系的・構造的に捉えることができれば、絡み合う問題を紐解くことができます。

そして、相互に関係する問題を解決する方法を 見つけることが可能です。