円滑な導入のために!システム開発と並行して行う運用検討の進め方とは

(2022/3/28 更新しました)

システムは、ツールです。

ツールは、使い方次第ですよね。

円滑なシステム導入には、実務で廻すための運用(オペレーション)の準備が重要です。

そして、運用準備は システム開発と並行して行うことです。

今回は、私のシステム開発・導入の経験から システム開発のフェーズと並行して実施する運用検討の進め方について 紹介したいと思います。

システム導入がドタバタになる理由

システムを開発しました。
さて、いよいよ稼働させます。

以下のような状況になっていませんか?

  • 使い方わからないよ
  • 私は いつ何をするの?
  • 後工程から苦情が来たのだけど なぜ?

これでは、立ち上げからドタバタですよね。

導入効果もなかなか出ません。
場合によっては、元に戻すことにもなりかねません。

せっかく開発したシステム、または、購入したシステムです。
もったいないですよね。

原因は、運用が決まっていないからです

いや、システムには 皆の要望を全てを織り込んだ。
システムの画面を見ながら、こんな運用で廻すように考えた。

反論もあると思います。

でも全て、システム側の視点ですよね。
実務側の視点では 考えていません。

なので、実際に立ち上げると 運用が廻らないのです。

システム開発と運用検討の進め方

運用の準備は、システム開発と並行して行います。

開発段階に合わせて、運用も 徐々に詳細化していきます。

システム開発のプロセスは、通常以下です。

  1. システム構想
  2. 要件定義
  3. 詳細設計
  4. 設計・プログラミング
  5. システムテスト
  6. ユーザーテスト
  7. 立ち上げ

4. 5. は、システムベンダー側の作業になりますので ユーザー側には関係ありません。
また、購入の場合は、3. 〜5. は 調達〜システムセットアップになります。

この各フェーズで、並行して運用を決めていきます。

今回は、各フェーズと決めるべき運用について 概要を紹介します。
尚、個々の詳細については、別投稿します。

システム構想段階の運用検討のポイント

通常、現行の業務フロー図作成します。

そして、問題箇所を明確にします。
どこに問題があるか、そして、どう対策するか検討します。

この際に、システムで対策すること・運用で対策することを分けて考えることが重要です。

システムは、所詮ツールです。
ツールだけでは、解決ができません。

運用が加わって、初めて問題解決ができます。

「運用で対策すること」を必ず明確化します

そして、新側の業務フロー図を作成します。
システム導入後の業務フロー図です。

ここに、運用で対策することを織り込みます

このフェーズでは、まだシステム仕様は決まっていません。
ルールも、まだです。

対策を織り込むと、こういう業務フローになる というものです。

要件定義段階の運用検討のポイント

システム仕様を決める際に、ルールは必要です。
例えば、伝票に記載する番号は 西暦+月+追番といったものです。

運用のルールを決めていきます

また、このフェーズは ユーザー側の要求事項を システムに織り込む段階です。
システム仕様中心になりがちですが、運用も並行して検討します。

このシステム仕様で、運用が廻るかの視点です。

本来は、運用をこうするので システムの仕様はこうする という順番が正しいです。
要は、運用を決めるのが先です。

でも、システム開発に入ると そこまで手が回らないというのが実情だと思います。

システム仕様と運用 同時に検討していきます。

そして、新側の業務フロー図に落としていきます

構想段階の業務フロー図では、IN側にシステム名を記載していると思います。
これをシステムメニュー・システム機能に修正するイメージです。

また、イレギュラー業務もあると思います。

システム仕様に織り込むことはもちろんですが、運用も決めておきます。

「○○が発生した場合のシステム運用方法」として、文書化します

詳細設計〜ユーザーテスト段階の運用検討のポイント

詳細設計の段階になると、システムの画面が決まってきます。

画面が決まれば、業務手順まで検討できるようになります。

業務手順なければ、システム動かせないですよね。
いつ どこを どう使うのか、必要です。

システムの操作マニュアルと同時に、運用マニュアルも作成します

また、次のフェーズであるユーザーテストは、これまで検討してきた業務フロー・業務手順に沿って 行います。

ユーザーテストは、実務として運用が廻るのかのテストです。

システムが正常に動くのかではありません。

これを勘違いしている人、本当に多いのですよね。

ユーザーテストを設計する上での最も重要なポイントです。

そして、ユーザーテストの結果も折り込み システム稼働前に運用準備を完成させることが必要です。


これぐらい準備しても 大きなプロジェクトの場合、導入後2〜3ヶ月は、ドタバタします。

では、準備していなかったら。。。容易に想像できますよね。

システム導入でもっとも大切なことは、事前に運用を決めることです。

まとめ

システム導入には、実務で廻るための運用(オペレーション)準備が重要です。

そして、運用検討は システム開発と並行して行うことです。

今回は、私のシステム開発・導入の経験から システム開発と並行して行う運用検討について 紹介しました。

システム開発の各フェーズと決めるべき運用についての概要です。

システム構想段階

現行の業務フロー図と対策後の業務フロー図を作成します。

この際に、システムで対策すること・運用で対策することを分けて考えることが重要です。

要件定義

運用のルールを決めていきます。

システム仕様と運用 同時に検討していきます。
そして、新側の業務フロー図に落としていきます

また、イレギュラー業務の運用を文書化します。

詳細設計〜ユーザーテスト

詳細設計段階で、業務フロー・業務手順を完成させます。
システムの操作マニュアルと同時に、運用マニュアルも作成します

次のフェーズであるユーザーテストは、実務として運用が廻るのかのテストです。

システムが正常に動くのかではありません。
ユーザーテストを設計する上での最も重要なポイントです。


せっかく開発したシステム、購入したシステムです。

立ち上げからドタバタ、効果も出ない状況にはしたくないですよね。

システム導入でもっとも大切なことは、事前に運用を決めることです。