活用目的によって使い分けよう!業務フロー図の作成レベルと適用範囲

ビジネスモデルの検討、事業・業務改革の検討などで 業務フロー(フローチャート)を作成しますよね。

どのレベル(階層)まで作成したら良いか 悩むこと多いと思います。

見える化手法の基本は、業務フロー図です。

業務フロー図(フローチャート)は、ツールのひとつです。
ツールは、使い方・活用の仕方次第で 万能ツールになります。

今回は、業務フローの作成レベルレベル毎に活用できる適用範囲について 紹介したいと思います。

業務フローの作成レベルと適用範囲

業務フローを どのレベルまで、または、どの範囲を 詳細化するのかは、実施する目的によって異なります。

私の場合は、3階層レベルに分けて考えることを 基本としています。

目的によって、1階層レベルだけ 2階層レベルまで といった使い分けです。

但し、最終的には 担当レベルが理解できるように、3階層目まで描きます。

また、作成範囲は、部署全体であれば その部署の業務全般になりますし、ある特定の分野であれば その範囲になります。

実際は、業務は相互に関係していますので、どこで切るかは 難しい問題です。
目的を考慮しつつ、経験で切り取っています。

但し、必要に応じて 追加・削除すれば良いので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。

レベル1(第1階層)

部署間(会社間)の関係がわかるレベルで記載します。

自部署(自会社)の目的、位置付けを明確化します。

会社の組織図レベルが これに当たります。
ある特定の部署の場合は、部署内の組織図レベルです。

多くの場合、業務フロー図の矢印は 双方向になると思います。
依頼し、回答すると言ったイメージです。

例えば、設計部署と評価部署の場合であれば、設計部署から見れば 「評価依頼をする」、評価部署から見れば 「依頼を受け、評価結果を回答する」 です。

なので、矢印は、実際に どういうプレーヤーが存在するのか、どう関係しあっているかを 明確にできれば十分です。

各機能(部署)が どう結ばれて、価値を上げているのかを描きます。

大体、この階層では フローというよりは 絵を描くイメージです。
事業・業務の体系を表現します。

まずは、現行フローを描き、アイデアを出しながら 新側を描く進め方になります。

基本、行ったり来たりの繰り返し作業です。
出てきたアイデアによって、現行フローに追加したり 部分的に詳細化するからです。

この階層で活用できる範囲は、以下です。

  • 会社全体(各部署)のミッション・ビジョン、事業戦略を考える
  • 収益モデル・お客様との接点に視点を変えることにより、ビジネスモデルを考える

関係部署含めたDXにつながるものもあると思います。

私の事例では、ある部署のビジョン創り・あるブランドの戦略を練ったのも、このレベルです。

レベル2(第2階層)

自部署(自会社)の中で、室や課レベルの業務の関係を記載します。

それぞれが、どういう役割でつながっているのかを明確化します。

例えば、前例「設計する」で言えば、基本構想を作成する(企画)、基本設計をする(設計)のレベルです。

関係を時系列に矢印でつないでいきますが、この際 、大まかに どういう情報が流れているかも 記載することが必要です。

イン・処理・アウト、業務フロー図作成の基本です。

これにより、各処理でどういうアウト(価値)が生まれているのかがわかります。

逆にいえば、処理のアウトである価値がわかるレベルで作成するということです。

わかりやすくいえば、その部署で重要とされいる書類・文書・帳票が アウトとなるレベルで作成することです。

この階層で活用できる範囲は、以下です。

  • 自部署(自会社)での抜本的な事業・業務改革を考える
  • 収益モデル・お客様との接点に視点を変えることにより、ビジネスモデルを考える

考え方は、そのアウト(価値)をつくるのに必要な処理はどうあるべきかです。

私の場合は、通常 以下3つの視点で検討しています。

  • 同じ価値をあげるのに 処理を合体できないか
  • 同じ価値をあげるのに 違うやり方はないか
  • 同じ価値をあげるのに 関係部署を巻き込めないか

徐々に範囲を広げて考えます。
抜本的改革なので、多くは 3. で実現しています。

私の事例では、 DXによるビジネスモデル開発は このレベルで実施しています。

レベル3(第3階層)

各担当の業務レベルまで落とします。

尚、この場合の業務は、作業ベースではなく それらを括ったものです。
(業務フローは、業務手順ではないです)

例えば、前例「基本構想を作成する」で言えば、データを分析する、アイデア出しをする、基本構想書を作成する などのレベルです。

関係を時系列に矢印でつなぎますが、この際 どういう情報が流れているかを、帳票記載項目ぐらいまで、記載することが必要です。

イン・処理・アウト、業務フロー図作成の基本です。

特に、複雑に処理が絡み合うので、矛盾がないように イン・アウトへの注視が必要です。

作成方法については別投稿していますので、そちらを参照ください。
(下に投稿記事を記載します)

この階層で活用できる範囲は、以下です。

  • 自部署(自会社)での事業・業務改革、改善を考える
  • システム開発を行う

最終的に、新側の業務フローを社内・部署内に展開する際にも 利用します。
レベル3まで落とさないと、担当者が動けません。

私の事例では、システム開発の際にも作成していますし、業務改革・改善では、数え切れないぐらい作成しています。

レベル4(第4階層)

作業ベースになります。

通常、ここまで落としませんが、RPAを導入する場合は必須です。
(RPAについては、別途 投稿します)

まとめ

見える化手法の基本は、業務フロー図です。
業務フロー図は、ツールのひとつです。

ツールは、使い方・活用の仕方次第で 万能ツールになります。

今回は、業務フローの作成レベルレベル毎に活用できる適用範囲について 紹介しました。

私の場合は、3階層レベルに分けて考えることを 基本としています。

レベル1(第1階層)

作成レベル

部署間(会社間)の関係がわかるレベルで記載します。

そして、自部署(自会社)の目的、位置付けを明確化します。

活用範囲

  • 会社全体(各部署)のミッション・ビジョン、事業戦略を考える
  • 収益モデル・お客様との接点に視点を変えることにより、ビジネスモデルを検討する

レベル2(第1階層)

作成レベル

自部署(自会社)の中で、室や課レベルの業務の関係を記載します。

それぞれが、どういう役割でつながっているのかを明確化します。

活用範囲

  • 自部署(自会社)での抜本的な事業・業務改革を考える
  • 収益モデル・お客様との接点に視点を変えることにより、ビジネスモデルを考える

レベル3(第3階層)

作成レベル

各担当の業務レベルまで落とします。

尚、この場合の業務は、作業ベースではなく それらを括ったものです。

活用範囲

  • 自部署(自会社)での事業・業務改革、改善を考える
  • システム開発を行う

業務フロー図として見える化することにより、問題の本質に気づくことができます

問題の本質が分かれば、アイデアは 必ず出てきます。

活用目的によって使い分け、新たなことに挑戦していただければと思います。

(2022/3/12 更新しました)

参考投稿記事:見える化の基本は 業務フロー図!ビジネスシーンで活用できる書き方のコツ