効率化のベースライン!業務標準のわかりやすい作成方法

(2025/2/7 更新しました)
「うちの会社の業務標準(マニュアル)わかりにくいな」
「結局誰かに聞かないとわからないじゃん」
これでは、せっかく時間を掛けて作った業務標準も ムダですよね。
実は、ちょっと工夫するだけで わかりやすくする方法があります。
私自身は、「業務の標準化」を標榜する大企業の元社員です。
当然、何度も業務標準を作成しています。
また、多くの業務標準も見ています。
今回は、私の経験から わかりやすい業務標準の作成のポイントついて 紹介したいと思います。
業務標準(業務マニュアル)の目的とは
業務標準を作成する目的は、以下2つです。
- 業務品質を維持するため
- 早く戦力となってもらうため
- 業務改革のベースラインとするため
特に、③は重要です。
まずは、今まで行ってきた改善・暗黙知を 一旦 見える化するために行います。
そして、業務標準は 組織内で共有し 次の改善を促すために策定するものです。
要は、業務改善・改革のサイクルを 組織に浸透させるために実施するものなのです。
また、今や5年も同じ業務をし続けることはないと思います。
実際に行ってもいない業務標準を放置して実務者任せでは、せっかくの改善・改革も浸透することはありません。
業務標準の目的である「業務品質の維持」も、バラツキますよね。
さて、業務標準は 文書であり 読むことによって 目的を果たします。
ならば、皆がわかりやすい文書を 作成する必要がありますよね。
でも、読んでもわからない業務標準 結構あるのです。
まずは、「なぜわかりにくいのか」から説明したいと思います。
業務標準が なぜわかりにくいのか
私自身 業務標準を作成した経験もありますし、多くの業務標準を見ています。
私の経験から、わからない業務標準のパターンは 以下3つです。
- つながりがわからない
- 目的がわからない
- 成果物がイメージできない
以下 順番に説明します。
つながりがわからない
業務標準、文章で書きます。
通常①②と数字で順番つけて、策定しますよね。
なので、実施時期の前後関係はわかります。
でも、実際の業務 並行して行うことが多いです。
③の業務の前工程は、①の場合もあります。
この関係がわからない業務標準 意外と多いのです。
唐突に記載されている業務、自分自身でつなぐ必要がありますよね。
知らない、あるいは 初めての業務では、理解するのは 難しいのです。
目的がわからない
通常、完結に文書化します。
5W1H 基本だと思います。
でも、Why(目的)記載していますか?
手順が記載されているだけの業務標準になっていること 多いです。
何のためにやらないといけないのか、成果物の質にも影響します。
それと、目的がわからなければ その業務の存在意義もわかりません。
作成した当初は分かっていても、引継ぎの繰り返しにより やがて失っていきます。
業務改革で業務を廃止してしまい大騒ぎ という事例も 結構見てきています。
成果物がイメージできない
成果物を文章で書くと、項目の羅列になりますよね。
多分、最低限やることを記載していると思います。
項目の羅列だけでは、中身がイメージできません。
結局、過去の事例を探すというムダな時間を使うことになります。
業務標準をわかりやすくするポイント
これをすれば わかりやすくなるポイントを 3つ紹介します。
これだけで、大きく変わると思います。
- 業務フロー図を作成・添付する
- 業務フロー図に沿って、文書化する
- 成果物の実例を添付する
業務フロー図を作成・添付する
業務は、フローです。
先ずは、業務フロー図作成しましょう。
策定方法については、以前の投稿を参照ください。(下に、投稿記事記載します)
作成することにより、IN・処理・OUTの関係が明確になります。
前後工程がわかり、成果物がどう処理されるか 理解ができます。
業務フロー図に沿って 文書化する
明確になったIN・処理・OUTの関係を 文書化します。
いつ・○○を受けて・○○を活用して○○書類を作成し・○○の手段で○○に送付する
業務フロー図から、ここまでは書けますよね。
今の業務標準どうなっていますか?
以下になっていませんか?
いつ・○○書類を作成し・○○に送付する
全然違いますよね。
あとは、これに目的を追加します。
○○のために・いつ・○○を受けて・○○を活用して○○書類を作成し・○○の手段で○○に送付する
これで、文書化は 完成です。
随分わかりやすくなったと思います。
成果物の実例を添付する
業務標準、普通は、機密文書です。
ノウハウの塊ですので、関係者以外はアクセスできないですよね。
実際に過去に実施した優秀事例から、成果物として添付します。
全部やっていたら、時間・コストがかかります。
本当に重要な成果物に限定します。
機密に関する項目があれば、その部分は消せば良いです。
また、今は電子ファイルですよね。
イメージがわかる言葉に修正すれば良いのです。
あくまで、成果物のイメージが理解できることです。
以上、挙げた3つを実施するだけで、業務標準変わります。
読む側の視点で見ると、業務フロー図を見ながら 個々の業務の文章を読むことができます。
○○のために・いつ・○○を受けて・○○を活用して○○書類を作成し・○○の手段で○○に送付する
そして、添付した成果物で「なるほど。こういうものか」と 理解できます。
また、最後まで読めば、全体が理解できます。
まとめ
業務の標準化は、業務品質の確保になります。
そして、業務の見える化でもあり 業務改善・業務改革のベースラインでもあります。
今回は、私の経験から 業務改革へ導く業務標準の作成のポイントついて 紹介しました。
先ずは、わかりにくい業務標準のパターンを紹介しました。
以下、3つです。
- つながりがわからない
- 目的がわからない
- 成果物がイメージできない
そして、わかりやすくするためのポイントを 3つ紹介しました。
わかりやすくするためのポイント
- 業務フロー図を作成・添付する
- 業務フロー図に沿って、文書化する
- 成果物の実例を添付する
標準化の意義(目的)は、今まで行ってきた改善・暗黙知を、一旦 見える化することです。
そして、業務標準は 組織内で共有し 次の改善を促すために策定するものです。
要は、業務改革のベースラインになるものです。
ならば、皆がわかりやすい業務標準を作成すること 重要だとは思いませんか?
さて、今回は「わかりやすい業務標準の作成方法」について記載しました。
一方で、「業務のどこまで適用するか」「いつ改定するか」も 大切ですよね。
以下の記事に投稿していますので、ぜひ併せて読んでみてください。
関連投稿記事:業務標準化の目的と効率的な適用範囲・改訂のタイミングとは
また、「業務フローの書き方」については 以下の記事が参考になると思います。
関連投稿記事:見える化の基本は 業務フロー図!ビジネスシーンで活用できる書き方のコツ