ビジョンへ近づき個人の成長を促す!ビジョン設定型の問題解決とは

組織に正のスパイラルを起こし、ビジョン達成に向けて すばやく動く。
競争に打ち勝つために必要ですよね。

それには、組織の中の個人が ビジョンに一歩でも近づくための 問題解決・対策を選択することです。


ビジョン設定型問題解決とは、ビジョンを設定し 現状とのギャップを問題と捉える考え方です。
そして、ギャップを埋めるために対策を考えます。

ビジョンとは、将来のあるべき姿・なりたい姿です。

ミッション・経営理念を採用している組織もあると思いますが、これらを具現化した姿を指します。

そして、組織全体のビジョンは、個々の組織・事業・業務に落とし込まれます。

要は、どの業務(事業)にでも ビジョンはあるのです。

普段は、あまり意識していないのかもしれません。
でも、組織のために 日々業務(事業)をしていますよね。

その組織のためというのが、頭の中に おぼろげにある業務(事業)のビジョンです。

今回は、通常の問題解決において、ビジョンに一歩でも近づける手法・方法を紹介したいと思います。
ビジョン設定型問題解決手法の応用・アレンジ版です。

なお、今回は手法の紹介ですので、組織への展開方法などは 別投稿したいと思います。


さて 問題が発生しました。
原因を調査し、対策を考えますよね。

通常の問題解決手法の出番です。

ただ、通常の問題解決手法では、対策は 現時点で可能なことを選択する傾向にあります。
一番現実的な解決になるからです。

「先を考えるとこうなんだけど、今やるならばこっちだよね」よくある発言です。
でもこれ、裏を返せば 先を捉えていることでもあります。

ならば、将来から考えてみませんか?

ビジョンに一歩でも近づく対策を選択することです。
あるべき姿・なりたい姿を 少しでも考える、対策も変わっていきます

以下、ビジョン設定型問題解決手法(アレンジ版)の手順と効果について、紹介します。

尚、組織に浸透させるには、マネジメント層の強い意思が必要です。
特にマネジメント層が率先して行えば、やがて 組織に浸透していきます。

つい発言してしまう「そうは言ってもね」 に対抗すること 必要です。

ビジョン設定型問題解決手法(アレンジ版)の手順

  1. 問題を把握する
  2. ビジョンからのギャップを把握する
  3. 目標を設定する
  4. 問題の原因を特定する
  5. 対策案を検討する
  6. 対策案を評価・対策を決定する
  7. 対策を実施する
  8. 対策結果の評価をする
  9. 標準化する

通常の問題解決手順に、2.を追加しただけです。
ただ、3. 〜6.の考え方が変わります。

本来のビジョン設定型問題解決は、1. が「ビジョンを設定する」ですよね。
問題発生がトリガーになっていますので、この順番にしています。

個々について、概要を紹介します。

ビジョンからのギャップを把握する

先ずは、ビジョンを明確にする必要あります。
上位のビジョンから、解決する問題を取り巻くビジョンへ落とし込みます。

自分自身の業務(事業)です。
多くの場合、頭の中にあると思います。
それを頭の中から取り出し、言語化・明文化することです。

言語化するのは、整理するためです。

頭の中では、いろんなことが絡み合っています。

過去・現在・未来もあります。
自分自身の感情もあると思います。

絡み合った情報を 未来視点で吐き出し、どうあるべきかに具現化することです。
そして、上位のビジョンとの整合性を確認します。

どうでしょうか?
組織の経験が長ければ、上位ビジョンとのズレは ほとんどないと思います。

逆に、+αのビジョンもあると思います。
自分自身の業務(事業)を一番知っているのは、組織の中では あなただけだからです。

次に、具現化したビジョンと現在のギャップを見つめます。

多くの場合、大きく離れていると思います。
私が勤めていた大企業でさえ、そうです。

なので、現場路線を優先させる動機付けができてしまうのです。

でも、それで良いですか?
大きく離れているからこそ、やるべきではないでしょうか?

最終的には、問題を把握した当事者の判断になります。
組織の文化が重要だという所以です。

ただ、改善にしろ、改革にしろ、変革にしろ、最初は たったひとりから始まる ということを 認識して欲しいと思います。

そして、組織の中では あなただけができるということも 認識して欲しいと思います。

ギャップが大きいのは、普通なのです。

目標を設定する

どうあるべきか、どうなるべきかが分かれば、到達点は見えてきます。

到達点に近づくための目標を設定します。

ビジョンに一歩でも近づく目標を立てることです。

今回は、このぐらいの地点に近づこう でも十分です。

私の経験では、大きなギャップは 複雑な要因が絡み合った構造的な問題であることが多いです。
一度で埋めることは、時間・コストを考えると困難なことが多いです。

プロジェクトを起こして問題解決する場合でも、構造のある部分に焦点を当てています。

構造的な問題は、ステップを分けて考えるのが良いと思います。

問題の原因を特定する

なぜなぜを繰り返して、真因を探ります。
通常の問題解決と同じです。

但し、ビジョンとのギャップを埋めるには という視点で探すことになります。

私は、将来と現時点の業務シーンを絵に描くことを よくやっています。

ギャップを把握する際も、原因を探る際も、絵を比較しながら検討しています。

絵にした時点でギャップはわかりますよね。
それと絵にすると、業務(事業)間の関係もわかります。

ギャップの原因も、網羅性を確保しつつ 広い視点で捉えることができます。

対策案を検討する・評価する

対策案を検討することは、通常の問題解決と同じです。

ただ、ここでも視点は ビジョンとのギャップを埋める対策です。

また、評価指標に ビジョンに対する達成度が入ることになります。
そして、対策案を 評価・選択します。

ビジョン達成型問題解決は、一度きりで終わりになることはないと思います。
前述した通り、一気にビジョン達成することは 難しいからです。

一度立ち止まって、ビジョンを意識することが重要です。

そして、次に進みましょう。

ビジョン設定型問題解決の効果

組織は、ビジョン達成のためにあります。
直接的効果は、ビジョンに一歩近づくことです。

関節効果としては、個人の成長があります。

大きい問題を解決することは、成長を促します。
それと現状路線の問題解決では味わえない達成感もあります。

一歩前に進めたという達成感は、充実感を伴います。
さらに進めようというモチベーションも出てくると思います。

これからは、個人の力 大切ですよね。

あらゆる分野で 個人が成長できる場がある組織には 正のスパイラルが必ず起きます

まとめ

組織に正のスパイラルを起こし、ビジョン達成に向けて すばやく動く。
競争に打ち勝つために必要ですよね。

それには、組織の中の個人が ビジョンに一歩でも近づくための 問題解決・対策を選択することです。

今回は、そのための手法として ビジョン設定型問題解決の手順と効果について、紹介しました。

ビジョン設定型問題解決とは、ビジョンを設定し、現状とのギャップを問題と捉える考え方です。
そして、ギャップを埋めるために対策を考えます。

手順は、以下です。
個々について、概要を紹介しました。

ビジョン設定型問題解決の手順

  • 問題を把握する
  • ビジョンからのギャップを把握する
  • 目標を設定する
  • 問題の原因を特定する
  • 対策案を検討する
  • 対策案を評価・対策を決定する
  • 対策を実施する
  • 対策結果の評価をする
  • 標準化する

そして効果として2つ挙げました。

ビジョン設定型問題解決の効果

  • 直接的効果:ビジョンに一歩近づくこと
  • 関節効果:個人の成長につながること

これから、組織の中の「個人の力」 ますます大切だと思います。

現状路線の問題解決ではなく、少しでもビジョンに近づく「ビジョン設定型問題解決」重要なのではないでしょうか。

(2022/2/25 更新しました)

参考投稿記事:私のビジョン策定方法:5〜10年先の絵を描く