プロジェクトマネジメントの重要なポイント!利害調整の進め方とは

プロジェクトは、人の集まりです。
当然、衝突(利害対立)は発生します。

プロジェクトリーダーにとって、利害調整は とても大切な仕事です。

人の集まりなので、感情がありますよね。
その後のプロジェクトの成果に大きく影響を与えます。

できれば避けて通りたいと考えますよね。

でも、ここがプロジェクトリーダーの腕の見せどころでもあります。

一方で、メンバーからの信頼を得ることができるチャンスでもあるのです。

私自身は、利害調整が プロジェクトリーダーにとって もっとも大切 と考えています。

今回は、利害調整において 私が心掛けていることを 紹介したいと思います。

ちなみに、コンフリクトマネジメントとも言いますよね。

メンバーのモチベーションを維持し、プロジェクトを計画通りに進めるための 重要なプロジェクトマネジメント技術です。

利害調整のステップ

簡単にステップを記載すると以下です。

  • 利害対立が発生する
  • 対立する当事者の意見を聴く
  • 選択する

ステップは、本当にこれだけです。

でも、解決するための3つのステップには 葛藤が詰まっています。

利害調整は、結局は どちらかを選択することになります。
折衷案で解決したとしても、選択したことに変わりはありません。

選択にあたり、行うこと。

それは、コミュニケーションです

コミュニケーションの質によって、プロジェクトは影響を受けます。

実際は、プロジェクトリーダーのキャラによって コミュニケーション・スタイルは異なると思います。

今回は、共通している部分について紹介したいと思います。

事例を具体的にするために、シーンを限定します。

経験上一番多い「プロジェクトリーダーに苦情を言いにくる」シーンです。

傾聴

人は、自分のことを話すのは好きですが、話しを聞くのは苦手なものです。

ましてや傾聴。
耳・心を傾けて、真摯に相手の話を聴く。
なかなか難しいものです。

プロジェクトの場合、多くは反対意見を聴くことになります。
つい、話しを遮断したくなりますよね。

ただ、少し考えてみてください。

メンバーは、話しを聞いて欲しくて来ているのです。
少しでもよくしたい、そんな思いも持っているのです。

話しを切ってしまっては、モチベーション下がってしまいますよね。

そして、一度プロジェクトリーダーが こうした対応をすると、プロジェクトに 聴いてはもらえない雰囲気が醸成されていきます。

この手の伝搬って、意外と早いものなのです。

私が、心掛けていること紹介します。

本来の傾聴とは異なるのかもしれませんが、私なりに実践できることとして心掛けていることです。

先ずは、「相手の意見の区切りがつくまで とにかく聴く」です。

多くの場合、自分の意見を ばーっと一気に話してきます。
そして、言いたいことを言えば 一旦区切りがつきます。

そこまでは、真摯に聴くことです。

例え 途中で「これはないな」と思っても、自分自身の意見を挟まず とにかく聴くことです。

この際に、いくつか質問も投げかけて 以下のことを把握します。

  • 根底にあるニーズ(真意)は何か?
  • できれば、どうしたいか?
  • それにより、どう影響(効果)があるか?

その後の話し合いが、スムーズになります。

この際、聞いているのかわからないような態度は 当然論外です。

相手の目を見て 真摯に心から聴くことは、やはり必要です。

リスペクト、コミュニケーションの基本です。

言いたいことを一気に話せば、区切りがきます。

区切りがついた時には、相手も落ち着いています。

利害調整は、そこから始めれば良いのです。

利害調整

言いたいことを話し切れば、相手も冷静になってきます。
話し合う状態になっています。

さて、自分自身の意見 どうしましょうか。
ここで、全く反対の意見から入ってはいけません。

また、自分の意見を主張し 反証することも避けた方が良いと思います。
これでは、相手の話しを聴いていなかったのも同然です。

相手側の意見をもとに、ひとつひとつお互いに検証しながら 話し合うのです。

プロジェクトのコンセプト・日程・コスト・品質いろいろな視点で検証します。
そして、選択します。

最終決定者は、プロジェクトリーダー側にあります。
相手の意見を却下することもあるでしょう。

それでも、検証して話し合った結果です。

組織間の対立の場合

今回は、ケースを絞って 紹介しました。

ただ、組織間の対立であっても 基本は同じです。

実際には、組織間の対立の場合 それぞれの組織のマネージャーがいます。

また、置かれている環境とか 力関係とか 複雑な要因もあります。

それでも、利害調整の共通部分は同じです。

  • 真摯に、相手が言いたいことを 先ず聴く
  • ひとつひとつお互いに検証しながら、話し合う

ただ、異なる点もあります。

マネージャー層間のコミュニケーションですよね。

論理的に話し合うことに シフトすることです。

絶対にやってはいけないこと

プロジェクトの利害調整は プロジェクトの中で解決することが基本です。

利害調整をするために、いきなり各組織のマネージャーを集めて解決することは 絶対にやってはいけないことです。

確かに、一番簡単な方法です。
解決も早いのかもしれません。

但し、一度こうしたやり方をすると 以降も続きますよね。

その度ごとに、マネージャーを集めて調整です。

時間もコストもかかります。

それより一番影響することは、プロジェクトリーダーの権限が 狭くなることです。

プロジェクトのメンバーは 見ています。
権限のないプロジェクトリーダーには、相談しないものです。

最終決定者は、プロジェクトリーダー

絶対守るべきことだと思います。

まとめ

プロジェクトは、人の集まりです。
当然、衝突(利害対立)は発生します。

プロジェクトリーダーにとって、利害調整 とても大切です。

今回は、利害調整において 私が心掛けていることを 紹介しました。

シーンを絞りましたが、共通部分について記載しています。

利害調整で心掛けていること

  • 傾聴:先ずは、相手の意見を区切りがつくまで とにかく聴く
  • 利害調整:ひとつひとつお互いに検証しながら、話し合う

そして、選択します。

もちろん、プロジェクトには 時間の制約もあります。
いつまでも止めておくことはできません。

それでも、制約の中で 出来る限り実践する。

メンバーのモテベーションに関わる大切なことです。

プロジェクトリーダーのもっとも重要な役目だと思いませんか?

(2024/6/3 修正投稿しました)

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