問題解決手法を使いこなす!レベルアップするための3つのポイント
問題解決手法、ビジネスの基本ツールです。
では、問題が発生した際、どうしていますか?
問題を すぐに裏返して対策を考えていませんか?
その問題解決、間違いです。
今発生する問題は、複雑化しています。
昔のような単純な問題は、組織として取り上げることは ほとんどないと思います。
なぜなら、単純な問題は、先人たちの知恵によって ほぼ個人で解決できます。
問題が複雑化していくほど、原因もたくさんあります。
真因もひとつとは 限りません。
そうであれば、対策案も 当然たくさん出てきます。
こうして考えれば、すぐに裏返して対策すること 間違っていると思いませんか。
問題解決手法、ビジネスの基本です。
ビジネスに関わる人のほとんどが、一度は教育を受けていると思います。
では、実際に どうやって活用しているでしょうか?
私の経験上、本当に使いこなせているのは 2割もいないと思います。
例えば あなたの周りにいませんか?
問題を相談にいくと、ほとんど分析もせずに すぐに対策を提示する人です。
多分 相談相手は、マネージャー職でしょう。
実は、管理職でも 一杯いるのです。
私が2割もいないという所以です。
後、もうひとつ こんな例も経験していると思います。
相談に行ったら、業務が増えた!!
問題を裏返して対策を考えると、根本ではなく その問題自身が発生しないような対策を考えます。
発生させない対策は、まず工数増加につながります。
例えば、「設計ミスをしてしまった」であれば、設計ミスに注目します。
ならば、対策として「事前チェックを入れよう」
完全に 工数増加ですよね。
これでは、問題提起するのも嫌になりますよね。
組織としては、文化・風土に関わってきます。
今回は、「問題解決をレベルアップするために最も重視すべきポイント」について紹介したいと思います。
問題解決手法の手順と最も重視すべきポイント
簡単におさらいとして 手順を記載します。
- 問題を把握する
- 目標を設定する
- 問題の原因(真因)を特定する
- 対策案を検討する
- 対策案を評価・対策を決定する
- 対策を実施する
- 対策結果の評価をする
- 標準化する
この問題解決手法の手順の中で、最も重視すべきポイントを3つ紹介します。
いずれも、私自身が 一杯見てきた事例から 洗い出したものになります。
- 問題把握は 事実に基づき行う
- なぜなぜを繰り返し 深掘りする
- 対策は 短期・中長期に分ける
問題把握は 事実に基づき行う
間接情報のみで、問題と言っていませんか?
○○と聞いた。○○のようだ。
間接情報の典型です。
実は、こういう事例 意外と多いのです。
私が相談される事例の8割以上は、最初は間接情報がもとになっています。
次に、問題の前提 説明してみてください。
推論どれぐらいありますか?
○○だと思う。きっと○○だ。
推論の典型です。
間接的情報・推論 これでは問題の大きさを把握しようもありません。
では、問題って どこで起こっているのでしょうか?
現場ですよね。
当たり前のようですが、問題解決の場では 意外と当たり前ではないのです。
問題は現場で起こっているのです。
実際に現場に出向き、現場を観察し、事実を把握しましょう。
ただボーッとみていても 何も把握できません。
実際にどんな業務をしていて、どんな価値が生み出されているのか事実を観察します。
そして、問題はどこで発生しているのか 見つめます。
そして、ヒアリングもします。
業務には、必ず前後関係があります。
前後工程との関係を調査することも 必要です。
業務はフローで動いています。
問題は業務フローの中にあります。
フローで考えることで 問題を把握することができます。
やはり問題把握は 現場力です。
ここを怠ると、全く見当違いの対策になります。
ではここで、あなたが今実施している問題解決 振り返ってみましょう。
やたら推論の多い議論 していませんか?
くだらない推論の議論は、時間のムダです。
すぐに現場へ出向きましょう!
なぜなぜを繰り返し 深掘りする
冒頭で、問題は複雑化していることを述べました。
今ある問題を深掘りすると どれぐらいの分量になると思いますか?
フォント11ぐらいならば、軽くA3用紙一杯になります。
ホワイトボードならば、2面は必要です。
私が実施している事例では、ひとつの問題で 大体これぐらいの分量になっています。
要は、それぐらいの真因候補が出てくるわけです。
ここでもう一度、冒頭に述べた「問題を裏返して対策を考えること」に触れたいと思います。
問題解決手法、手順を順番に並べると時間がかかると思われるかもしれません。
でも、ステップであって 時間軸ではありません。
現場でトラブルがあって、即判断の場合でも 基本的な手順です。
瞬時に、順番に考えるものなのです。
原因(真因)はひとつであっても、対策案は複数あります。
原因もわからない問題点だけの段階、対策案どれぐらいあるでしょうか。
その段階で、ひとつの対策を選ぶのは、運任せと同じです。
問題解決が適格で早い人、順番を廻すのが早い のです。
もちろん、知識・ノウハウ、そして現場を知っているという理由もあります。
原因(真因)を特定しましょう。
納得いくまで、なぜなぜを繰り返しましょう。
そして、そのあとで、対策を考える。
「対策は、最後に考える」問題解決手法だけではなく、全てのビジネス手法の基本です。
なぜなぜを繰り返し深掘りする際のポイントを 4つ挙げます。
チームで行うこと
ひとりでは あげることができる原因に限界があります。
個人の知識・ノウハウに依存するからです。
やはり多様性必要です。
複数の人の意見を吸い上げることです。
多人数を意味しているのではありません。
一人よりも二人、少しでも視点の多さを意識することです。
煮詰まったら 時間をおくこと
ずっとやっていると 徐々に視野が狭くなります。
時間をおき、頭をリフレッシュしましょう。
異なる視点が 必ず出てきます。
お客様目線でも考えること
業務はお客様のために存在します。
直接のお客様だけではなく、後工程もお客様です。
深掘りは どうしても自組織に焦点が集中します。
お客様に提供する価値の視点を入れましょう。
次の対策案を考える際にも、お客様視点を織り込むことができます。
組織の文化・風土は消さない
深掘りを行っていると必ず組織の文化・風土に関係する原因が出てきます。
この場合に 自分たちではどうしようもないので 消すこと多いと思います。
でも 組織にとっては重要な問題ですよね。
それも大きな問題です。
必ず残し、マネジメント層には 伝えるようにしましょう。
場合によっては、ここに挑戦することもあると思います。
私自身は、多くの場合 組織の文化・風土に関係する分野に取り組んでいます。
対策は 短期・中長期に分ける
問題が複雑であるほど、真因は複数あります。
次に、その真因を解決する対策案を考えることになります。
手法としては、1つの真因について複数の対策案を挙げていくことになると思います。
そして、最終的には 真因と対策案を 他:1、他:他のような矢印で結びますよね。
一般的な問題解決の手法です。
ただこの方法だと どうしても短期の対策案だけが取り上げられる傾向になります。
問題解決手法は、今ある問題を対策することが 基本だからです。
でも、複雑な問題、短期の対策でできることは 限られますよね。
1つの真因について対策案を挙げた際、中長期の対策も入っていると思います。
そして、中長期の対策の方が重要な場合 結構あります。
短期・中長期に対策を分けましょう。
そして、短期のものは 即実施すること、中長期のものは 即種まきするのです。
中長期のものは、マネジメント層も巻き込む必要があるでしょう。
でも、組織にとっては必要なものです。
場合によっては、プロジェクト起こして実行することもあると思います。
短期視点だけで考えるのではなく 中長期視点で継続的に解決することは、
明日のビジネスを創ります。
問題解決って、意外と奥深いものなのです。
確かに、単純なケースもあると思います。
この方が多いのかもしれません。
ただ、問題は 確実に複雑化しています。
問題解決から生まれるビジネスもあります。
なぜなら、ビジネスそのものが、問題解決だからです。
余談:必ずしも 真因=対策ではない
矛盾するのですが、真因を対策することが 問題解決ではありません。
時間・コスト・効果の問題もあります。
対処という言い方にもなるのですが、対処が対策の場合もあります。
一方で、アイデア出しにも 利用することができます。
真因の対策案は、複数あります。
真因を特定する前段階でも、当然 対策案は複数あります。
なぜなぜを繰り返す途中段階のものを利用します。
当然、この段階の方が、対策案多いですよね。
実は、ここにアイデアがあるケースがあります。
真の対策ではないのですが、こちらの方が面白いものです。
現場のトラブル解決には、使えませんが、新規ビジネスや事業改革などの場合、
大きな飛躍になる可能性があります。
問題解決手法、業務改善のツールと思われているかもしれません。
ビジネスの手法は、いろいろなことに活用することができます。
自分なりにアレンジすれば良いのです。
そして、実践したものは、見える化し残すことです。
別のことに利用することもできます。
まとめ
問題解決手法、ビジネスの基本です。
今回は、「問題解決をレベルアップするために最も重視すべきポイント」について紹介しました。
多くの事例を見てきた私の経験から洗い出したものです。
問題解決をレベルアップするために最も重視すべきポイント
- 問題把握は 事実に基づき行う
- なぜなぜを繰り返し 深掘りする
- 対策は 短期・中長期に分ける
問題把握は 事実に基づき行う
間接情報・推論だけで議論するのは、時間のムダです。
問題は現場で起こっているのです。
実際に現場に出向き、現場を観察し、事実を把握しましょう。
また、業務はフローで動いています。
前後工程含めて調査しましょう。
なぜなぜを繰り返し 深掘りする
なぜなぜを繰り返し深掘りする際のポイント 4つ挙げました。
なぜなぜを繰り返し深掘りする際のポイント
- チームで行うこと
- 煮詰まったら 時間をおくこと
- お客様目線でも考えること
- 組織の文化・風土は消さない
対策は 短期・中長期に分ける
一般的な問題解決の手法では、短期の対策が取り上げられます。
でも、複雑な問題、短期の対策でできることは 限られますよね。
短期・中長期に対策を分けましょう。
そして、短期のものは 即実施すること、中長期のものは 即種まきしましょう。
問題解決手法、業務改善のツールと思われているかもしれません。
でも、問題解決って、意外と奥深いものなのです。
問題は確実に複雑化しています。
問題解決から生まれるビジネスもあります。
そもそもビジネスそのものが、問題解決です。
ビジネスの手法は、アレンジ次第で いろいろなことに活用することができます。
そして、継続的に活用することにより、問題解決も 確実にレベルアップしていきます。