プロジェクトでコンセプトに影響する課題に直面した場合の対応方針とは
(2022/2/24 更新しました)
コンセプトは、プロジェクトの目的・目標です。
コンセプトを達成するためにプロジェクトは実施されます。
それでも、コンセプトに影響を与える問題・利害対立・環境の変化は 必ず発生します。
対応方針を事前に考えておくことも、プロジェクトリーダーが持つべきコンセプトのひとつだと思います。
さて、どう対応しますか?
問題に直面した時、利害対立が発生した時、環境の変化が起きた時、進む方向に迷うこともあります。
そんな時の拠り所が、コンセプトです。
揺るぎないコンセプトがあれば、方向を決め 進むことができます。
人が何かを行う場合、必ずコンセプトはあります。
譲れないものって、ありますよね。
ビジネスのプロジェクトでも 同じです。
ビジネスプロジェクトの場合、最初の構想段階でコンセプトは 決めます。
対象プロジェクトの目的・目標となるものです。
そして、コンセプトを達成するために プロジェクトを進めていきます。
それでも、コンセプトに影響を与える問題・利害対立・環境の変化は 必ず発生します。
今回は、コンセプトに影響を与える3つのケースについて 私自身の対応方針コンセプトを紹介します。
問題に直面したケース
プロジェクトは、期間・コスト・品質を守る必要があります。
これらに影響を与える問題が発生したケースです。
例えば、当初の検討範囲にモレが見つかった・想定外に仕様が膨らんだ などです。
一番多く直面するケースです。
先ず行うことは、期間・コスト・品質に どの程度影響を与えるか見積もることになります。
また、コンセプトに与える影響も 精査します。
そして、見積もり結果とコンセプトに与える影響を 比較します。
私の場合の判断基準は 以下です。
コアコンセプトに影響を与える場合
コアコンセプトは、プロジェクトの最も基幹になるコンセプトです。
プロジェクトそのものと言っても 過言ではありません。
この場合には、発生した問題の解決を優先します。
プロジェクトの期間・コストは 犠牲にします。
品質は、コアコンセプトに直結するものであれば 確保します。
そして、問題解決に取り組みます。
並行して、ステークホルダーと 期間・コストの調整をしていきます。
コアコンセプトは、絶対に貫きます。
これが崩れたら、なんのためのプロジェクトなのか 意味がわからなくなります。
もはや、中止した方が良いと思います。
私自身は、コアコンセプトまで影響したケースは 経験していません。
でも、もし遭遇していたら 中止にしたと思います。
コアコンセプトについては、別投稿していますので そちらを参照ください。
(下に 投稿記事記載します)
参考投稿記事:プロジェクトの羅針盤!コンセプト・コアコンセプトの作成方法・決定方法
個々のコンセプトに影響を与える場合
個々のコンセプトへの影響度によって、妥協点を探します。
問題への対策と期間・コスト・品質との妥協点です。
そして、妥協点調整を進めます。
個々のコンセプトの場合、優先順位があります。
優先順位の低いコンセプトであれば、切ることも考えます。
また、コンセプトの範囲内で 実施することの内容調整をします。
コンセプトに影響が小さいものを 落とすことも考えます。
いわゆる実施事項の入れ替えです。
この際、プロジェクトリーダーだけで決めるのは 避けましょう。
必ず、メンバーで話し合うことです。
説得ではなく、納得を得ましょう。
利害調整が発生したケース
基本は、問題が発生した時と同じです。
ただ、調整ごとなので 人が絡みます。
プロジェクトのメンバーは、組織の各機能単位で選ばれることが多いと思います。
なので、各メンバーの上司も絡んできます。
コアコンセプトに影響を与える場合
絶対に、譲りません。
プロジェクトを止めてでも、絶対に守ります。
プロジェクトリーダーは、語ってなんぼ です。
あらゆる手を駆使して、守ります。
そのためにも、普段から 積極的にコミュニケーションをしておくことです。
譲れない境界が浸透していれば、コアコンセプトに影響するケースは発生しないと思います。
事実、私は経験したことがないです。
個々のコンセプトに影響を与える場合
人との妥協点調整です。
コアコンセプトに影響しない範囲で 妥協点を見つけます。
そのためにも、常日頃のコミュニケーション大事です。
コンセプトの意義について、何度も語っておくことです。
妥協できる範囲が変わります。
利害調整については、以前の投稿を参照ください。
(下に 投稿記事記載します)
参考投稿記事:プロジェクトマネジメントの肝!利害調整で心掛けるポイントとは
環境の変化が起きたケース
プロジェクトの構想段階に、一旦戻ります。
コアコンセプト・コンセプトを考えた際の根拠を見つめます。
そして、影響度を 精査します。
コアコンセプトに影響を与える場合
プロジェクトを 最初の段階に戻します。
コアコンセプトも変更します。
プロジェクト構想・計画も 最初から見直しです。
ただ、それまで行ってきたことは、全くムダにはならないケースが多いです。
期間・コストは、+αで 見積もることが可能です。
また、影響度によっては、中止という判断もあります。
コアコンセプトに影響を与えるほどの環境の変化、相当インパクトのあるものです。
逆に、環境の変化を取り込むプロジェクトに変更すべきです。
もう一度、変化の本質を見極め、新しいプロジェクトとして起こす。
変化を機会にできます。
個々のコンセプトに影響を与える場合
コンセプトを変更し、プロジェクトを継続します。
変更した部分は、やり直しになります。
当然、期間・コストは、見直しです。
環境の変化は、機会を増強するチャンスです。
脅威を機会にできるかもしれません。
メンバーを鼓舞して、モチベーションを維持・向上させましょう。
まとめ
コンセプトは、プロジェクトの目的・目標です。
コンセプトを達成するためにプロジェクトは実施されます。
それでも、コンセプトに影響を与える問題・利害対立・環境の変化は 必ず発生します。
問題に直面した・利害対立が発生したケース
先ずは、期間・コスト・品質に、どの程度影響を与えるか見積もることになります。
また、コンセプトに与える影響も、精査します。
そして、見積もり結果とコンセプトに与える影響を比較することになります。
対応方針
- コアコンセプトに影響を与える場合:コアコンセプトを絶対に守る
- 個々のコンセプトに影響を与える場合:妥協点調整を行う
環境の変化が起きたケース
プロジェクトの構想段階に、一旦戻ります。
コアコンセプト・コンセプトを考えた際の根拠を見つめます。
そして、影響度を精査します。
対応方針
- コアコンセプトに影響を与える場合:変化の本質を見極め、新しいプロジェクトとして起こす
- コンセプトに影響を与える場合:コンセプトを変更し、プロジェクトを継続する
対応方針も、プロジェクトリーダーの持つコンセプトのひとつです。
今回は、私自身の対応方針コンセプトを 紹介しました。