自律型組織に導く!連鎖を起こす見える化の4ステップとは

(2025/5/15 更新しました)
見える化の目的は、皆で情報を共有することです。
情報の共有は、個人・組織を活性化させ、やがて連鎖を起こすことができます。
一人ひとりが自主的・自律的に考え改善・改革が常に起こっている組織は、重要なマネジメント課題ですよね。
今回は「自己変革する組織に導くための見える化の4ステップ」を紹介します。
私は「自律型組織」で有名な大企業で 全く異なる3部門で働いた経験があります。
組織も人も、必ず4つのステップで成長していきます。
この体験に基づいています。
自律型組織と見える化の関係

そもそも自律型組織とは何か
自律型組織とは、個々のメンバーやチームが自ら考え、行動し、成果を出すことを目指す組織形態を指します。
このような組織では、トップダウン型の指示ではなく、社員一人ひとりが主体的に意思決定を行います。
また、役職や階層に依存することなく、柔軟でフラットな構造が特徴です。
そのためには、社員が自ら目標を設定し、自律的に行動できる環境が求められますよね。
この時必要になるのが情報の共有です。
見える化は、情報の共有を促進します。
そして、個人やチームが自分の行動を会社のビジョンや目標に結びつける方法になります。
自律型組織の基本要素
自律型組織を支える基本要素として、以下の4つが重要です。
- トップマネジメント層がビジョンを示す
- ビジョンや理念が共有され、組織全体に浸透させる
- 社員一人ひとりの意見やアイデアが、組織運営に反映される
- 組織内部でのオープンな情報共有と、透明性のある環境の構築
どれも「情報を共有する」という点では、同じですよね。
つまり、見える化が「自律型組織に導く」ための土台となります。
自己変革する組織に導く「見える化の4ステップ」
1. 組織・各担当の業務(存在)を理解すること
最近、以下のようなこと 感じませんか?
「席が隣の人が、何をやっているのかわからない」
「この業務って、やる必要があるんだろうか?」
多くの組織では、どんどん業務が 細分化されてきていますよね。
そして、業務は、追加される一方だと思います。
これでは「誰が何をやっていて」「どうつながっているのか」わからなくなって 当然です。
マネジメントにも影響しますよね。
手を差し伸べるにも 業務がわからなければ、解決方法もわかりません。
それと、組織のメンバーは 歯車のひとつになっている感覚を 持っていきます。
当然、モチベーションにも影響しますよね。
見える化は、これら問題を解決します。
見える化は、各組織・各担当の役割・目的を 明確にするものです。
「組織の役割・目的なんて当然わかっているよ」という方、少し考えてみてください。
- あなたの前後工程は、本当に満足しているでしょうか?
- 内向きな部分最適になっていないでしょうか?
- 全体でみた場合に、組織間で抜けているところ ないでしょうか?
- 当然わかっている役割・目的は、組織内で本当に浸透していますか?
組織は単独では存在しません。
相互関係・相互依存で成り立っています。
高付加価値、効率運用、全体最適は、当然必要ですよね。
組織での役割・目的がわかれば、組織・各担当の業務に対する意味づけができます。
他部署・関係する人たちとのつながりがわかれば、相手に対する思いも 変わります。
見える化の一歩は、ここから始まります。
そして、次のステップへの意欲も湧いてきますよね。
2. 必要なものは何かを考えること
意味づけができれば「必要なことは何か」がわかりますよね。
その業務の最も重要なコア部分を 理解することができます。
人間は、工夫する生き物です。
理解したら、考えますよね。
「絶対に必要なこと」「最低限必要なこと」「もしかしたら必要ではないこと」を区別をすることができます。
見える化によって、この工夫が生み出されます。
今まで、モヤモヤしてきたこと・疑問に思ってきたことなど「あっ、そうだったんだ」と気づくのです。
そして、見える化の最大の意義「自己変革への大切な礎」ができあがります。
3. 取り除く、減らすこと(効率化促進)
見える化によって、自己改革への大切な礎ができました。
この時点で、モチベーションは、以前と比べて 確実に上がっていると思います。
工夫すべき点にも、気づいていますよね。
ここからが重要です。
見える化の直接的な効果は、このステップからになります。
せっかく生まれた工夫を 成果につなげることが大切です。
個々人が考えた工夫を 吸い上げることが必要です。
先ず最初は、効率化の案件が 上がってきます。
取り除く・減らす案件です。
見える化が、最も得意とするところですね。
もう既に、見える化によって業務は見えています。
そして、考えた工夫もあります。
後は、関係部署・関係する人たちとのコンセンサスを得て、新しい業務として改革する・改善するだけです。
そして、最後に 新しい業務を見える化し、共有することです。
標準化とも言いますよね。
標準化を怠ってはいけません。
なぜなら、次の改善・改革のベースラインになるからです。
また、せっかく、ここまでやってきました。
一度ではなく、連鎖を起こすことで 組織が活性化します。
この取り組みを仕組み化することが必要です。
具体的には、以下4つが有効です。
- 一人ひとりの年度目標に改善・改革を加える
- アイデアが出たらチームで取り組ませる
- 失敗をチームで考え再発防止する
- 業務標準の改訂を定期的に行う
4. 増やす、付け加えること(高付加価値化)
最後に、業務の価値を高めることに 触れます。
既に 見える化によって 必要なことがわかっていますよね。
その必要なことは、さらに強みを強化することかもしれません。
また、今不足していて もっと強化すべきことも あるのかもしれません。
見える化によって、「増やす、付け加えること」を議論することができます。
要は、上記3つのステップを続ければ 視野が広くなってくるのです。
特に、関係部署・関係する人たちとの議論によって、見えてくるものがあります。
「送ってくれた情報に、こういう情報がないから、こちらで調べて追加しているんだよ」
「えっ、そんなことしているんだ。その情報なら、こちらで持っているよ」
こんなケースは、いっぱいあります。
3つのステップまでやりきることができれば、関係部署・関係する人たちとの絆もできてきます。
連鎖が起こる環境も でき始めています。
継続的な関係を創りましょう。
継続は、自己変革できる組織の基本です。
まとめ
今回は「自己変革する組織に導くための見える化の4ステップ」を紹介しました。
見える化は単なる手段と思われがちですが、実際は 個人・組織を活性化させるものです。
活性化した個人・組織は、連鎖を起こすことができます。
そして、継続により 自己変革できる組織になっていきます。
さて、今回は「見える化の4ステップ」として組織を中心に紹介しましたが、実際に「業務改革を実践する方法」も重要ですよね。
以下の記事では「抜本的な業務改革を実践する方法」について紹介していますので、ぜひこちらの記事も併せて読んでみてください。
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