プロジェクト成功の要!企画構想フェーズが未来を決める理由とは

あなたのプロジェクト、あなたの周りのプロジェクト 迷走していませんか?
理由は、企画構想フェーズの不備にあります。
プロジェクトの成功は、ほぼ企画構想フェーズで決まります。
今回は「企画構想フェーズが成否を決める理由と成功するための具体的な進め方」について紹介します。
私自身は、20年以上のプロジェクトリーダーとしての経験があります。
しかも、ほとんどは 自ら企画したボトムアッププロジェクトです。
その実績に基づいています。
企画構想フェーズとは何か

企画構想フェーズの定義
企画構想フェーズとは、プロジェクトの成功を左右する最初の重要な段階であり、プロジェクトの目的やゴールを設定し、全体的な構想を固めるプロセスです。
このフェーズでは、プロジェクトの進め方において土台となる計画を策定し、具体的な方向性を明確にしていきます。
さらに、ステークホルダー間の合意や費用対効果も主眼に置き、プロジェクト全体の整合性を図ることが求められます。
最終的には「プロジェクト構想書」として成果物になります。
プロジェクトの起案として、稟議を通すためのフェーズであることが多いのではないでしょうか。
また、アジャイルで進めるにあたっても、まず全体の構想は この段階で行います。
その後ステップに切り分けることも、この段階に含まれます。
プロジェクトにおける位置づけ
企画構想フェーズは、プロジェクト全体の最初のステップであり、次の要求定義や要件定義のインプットとなる位置づけにあります。
この段階で行われた決定や計画は、プロジェクトの成否に大きな影響を与えます。
私の経験では、プロジェクトの成否は ほぼこの段階で決まっていると言えます。
そのため、企画構想フェーズを適切に進めることが不可欠です。
よくあるのは、目的や対象範囲が曖昧なままで 以降の工程が混乱し、プロジェクト全体が停滞するケースです。
また、この段階ではプロジェクトリーダーの積極的関与が重要です。
プロジェクトリーダー自らが指揮をとり、プロジェクト構想書を作成することで、スムーズな進行が可能になります。
企画構想フェーズがプロジェクト成功を左右する理由
目的とゴールを明確化する重要性
企画構想フェーズにおいて最も重要なステップの一つが、プロジェクトの目的とゴールを明確にすることです。
このフェーズで目的や目標が曖昧なまま進めると、次フェーズ以降で全体の進め方に迷いが生じ、プロジェクトの方向性を見失うリスクが高まります。
特にプロジェクトリーダーには、経営方針やシステム化方針を踏まえて、具体的な成果物を定義する責任があります。
明確なゴールを設定することで、関係者間の認識を揃え、高いモチベーションを持って進めることが期待できます。
関係者間の合意形成を図る方法
関係者間の合意形成も 企画構想フェーズにおける重要な要素です。
この段階でステークホルダー全員がプロジェクトの目的・範囲・期待する成果について一致した認識を持つことが プロジェクトの成功に導きます。
特にプロジェクトメンバーとの合意形成は モチベーションに直接影響しますので、密なコミュニケーションが大切です。
プロジェクトリーダーは、コミュニケーション設計をする必要があります。
合意形成を図るための具体的な方法としては、定期的なミーティングの実施、ドキュメントの共有、チャットツールなどがあります。
また、コミュニケーションのルールを最初に設定することで、意思疎通を円滑化にすることができますよね。
リスクと課題の早期発見
企画構想フェーズでは、プロジェクトを成功へと導くためのリスクや潜在的な課題を事前に発見することが大切です。
例えば、失敗を事前に検証する「プレ・モータム」というフレームワークがありますよね。
プロジェクトが失敗した前提で「なぜ失敗したか?」と要因をリストアップし、回避する策を考える手法です。
このフェーズでリスクと課題を明らかにしておくことで、事前に準備や対策を講じることが可能です。
また、リスクが明確化されれば、プロジェクトの進め方において重点的に対処すべき領域を把握しやすくなりますよね。
プロジェクト全体の効率化を促す準備
企画構想フェーズで適切な準備を行うことで、プロジェクト全体の効率化が促進されます。
例えば、目標やスコープを正確に定義し、適切なプロジェクト計画を策定しておけば、後続の工程でのムダや手戻りを最小限に抑えることができますよね。
利害対立が発生した場合でも、目標やスコープを軸に 手早く調整できます。
また、ステークホルダーの体制を最初に整備し、プロジェクト構想書に人員やスケジュール、予算を盛り込むことで、実行段階におけるトラブルを回避しやすくなります。
このように、企画構想フェーズでの適切な準備は、プロジェクト全体を通して効率的な運営を実現する鍵となります。
成功させるための具体的な進め方

ステップ1:課題の洗い出し
現状の課題や解決すべきポイントを徹底的に洗い出します。
このフェーズでは、ヒアリングやワークショップなどを活用し、現状の業務プロセスを分析しつつ、ボトルネックや矛盾点を特定します。
また、全社・部署のビジョン・戦略からのトップダウンアプローチも並行して行います。
特に、各ステークホルダーの視点を取り入れながら課題を抽出することで、抜け漏れのない課題検討を進めることができます。
要は、鳥の目・虫の目です。
ステップ2:解決策の提案と評価
課題を特定したら、それに対する解決策を複数提案し、評価を行います。
この段階では、提案する解決策が「実現可能であるか」、また「期待される効果が得られるか」を検討する必要があります。
正解のない答えを探す作業なので、仮説検証でプロジェクトの進むべき方向性を見つけることが重要です。
そして、各解決策のメリット・デメリットを比較することで、最適なアプローチを選択します。
この過程では、各ステークホルダーと合意を得ながら進めることになります。
ステップ3:ビジョンと戦略の具体化
企画構想フェーズでは、プロジェクト全体のビジョンと具体的な戦略を明確化することが重要です。
ここでいうビジョンとは、プロジェクトによって実現されるべき将来の姿を指します。
このビジョンを基に、中長期的な戦略を策定し、プロジェクトの優先事項(コアコンセプト)を明確にします。
コアコンセプトは、明確な方向性とチームの一体感を生み出し、効果的なリソース配分を可能にします。
これにより、プロジェクトの継続的な成功が見込まれます。
ステップ4:ゴールの設定と共有
プロジェクトを成功に導くためには、まず明確なゴールを設定し、関係者全員と共有することが重要です。
ゴールが曖昧であると、プロジェクトの進行中に方向性がぶれたり、不要な手戻りが発生する可能性があります。
企画構想フェーズの初期段階では、「プロジェクトの目的」「期待される成果」「成功するための要因」について詳細に議論し、合意を図っていきます。
そして、徐々にゴールを明確に設定していきます。
具体的なゴールを共有することは、関係者間の一体感を高め プロジェクトの推進力を得る鍵となります。
ステップ5:プロジェクトスコープの定義
プロジェクトの範囲を明確に定義することも、企画構想フェーズの重要なポイントです。
スコープの設定には、達成すべき成果物を具体的に記載することが求められます。
同時に、スコープ外の事項を明確化することも重要です。
これにより、プロジェクト進行中に発生する「追加の要求」や「目標の逸脱」を防ぐことができます。
また、スコープを定義にすることにより、関係する部署も明確になります。
プロジェクトで必要な体制も 決まっていきます。
ステップ6:計画の最終確認
最後に、企画構想フェーズで構築した計画を全体的にレビューし、必要な修正を加えた上で最終確認を行います。
このステップでは、ステークホルダーやプロジェクトチーム全体と構想書を見直し、構想内容に対する理解と同意を得ることに焦点を当てます。
構想書にはゴール、スコープ、目的、スケジュール、リスク対応策などが盛り込まれており、それらがプロジェクトの成功に向けて適切に設計されているかを慎重にチェックします。
また、多くは 企画構想フェーズを経た後にプロジェクト決裁を受けますよね。
この場合は、要約した資料を作成することになります。
このプロセスを経て、プロジェクトの土台が固められ、次のフェーズへ円滑に進める準備が整います。
まとめ
今回は「企画構想フェーズが成否を決める理由と成功するための具体的な進め方」について紹介しました。
私の経験からも プロジェクトの成功は、ほぼ企画構想フェーズで決まります。
特に、コアコンセプトやゴールは大切ですね。
次フェーズ以降の推進力が違ってきます。
企画構想書を造りこんで、プロジェクトを成功させましょう。